リンパ学との出会い

管理者の金澤です。今日はリンパ学について投稿しようと思います。私がリンパ学に関心を持ったのは、訪問看護の中でのケアがきっかけでした。以前勤めていたステーションでは、PTやOTによるリハビリを看護師も継続して行えるようにと、積極的に看護師によるリハビリやマッサージも行われているステーションでした。しかし施術していても、このマッサージで本当にむくみが引いているのか否か、その施術がどういうエビデンスで有効なのか、または不利になっていないか等に対して、自分自身でも現場での学習だけでは理解できませんでした。しっかり解剖生理やリンパの働きや機能を知った上で施術したいと思い、JEAという学校に通いました。そこで学んだMLDという手技については話し始めると熱く長くなりますので次回にしますね。

今回は、浮腫の中でもリンパ浮腫に関することを学びたいと思い、東京で開催された新リンパ浮腫研修に参加してきました。img_6247 img_6248

2日間でざっと30時間程の座学でしたが、非常に興味深い内容で、いつもはすぐ寝てしまう私ですが、睡魔は襲ってきませんでした!

講義によると、がん治療後の続発性リンパ浮腫は、全リンパ浮腫患者の約80~90%を占めています。現在、リンパ浮腫患者は10万人を超えているようで、がんの治療実績の向上に伴い、年間1万人前後の方がリンパ浮腫に罹患すると推定されています。しかし、この疾患は医師を含め医療者側の認識不足もあり、適切な治療がなされず放置され、QOLの低下を引き起こす切実な問題となっております。リンパ浮腫に対して積極的に治療を行っている医療機関は全国でも少数であり、訪問看護の世界では極めて0に近い状態ではないでしょうか。今回の研修でも訪問看護に関する講義はなく、病院が中心でした。

今後の診療報酬の改定に期待したいですが、まだまだ時間はかかりそうです。しかし、H28年度にリンパ浮腫複合的治療料が算定できるようになったことも大きな変化だと思います。私たち在宅サービス側も、さまざまなニーズに対応できるような基盤を整えていきたいです。